ブラシは研削や洗浄だけでなく,表面処理の結合のため”あえて傷をつける「表面粗し」”の使い方もあります。
今回はSK-Lab#14で紹介した【ブラシロール試験機】を用いたテストの一例をご紹介します。
1.表面粗しテスト
ブラシでペーパー掛けやブラストの代替ができないか?
「塗装下地の表面粗しの自動化を検討するにあたり,ブラシロールを使用できないか」とのご要望がありテストを実施しました。
テストワークは突起物の代わりにプレートにナットを溶接
ワークには色々な突起物があります。テストではSS板(4.5t)にナット(M16)を溶接したテストワークを準備。
(ブラッシング状態が分かりやすいように,溶接汚れはそのままにしています)
テスト方法
テスト機
弊社ブラシロール試験機の送り台にテストワークを固定,回転するブラシロールの下を通過させ観察します。
テストブラシ
ブラッシング仕上がりの比較に,約φ300のブラシロール4種類を提案。
ブラシロール① φ1.45-#80 SiC砥粒入りナイロン毛材
ブラシロール② φ1.0-#240 SiC砥粒入りナイロン毛材
ブラシロール③ φ0.9-#240 SiC砥粒入りナイロン毛材
ブラシロール④ φ0.8-#500 SiC砥粒入りナイロン毛材
2.テスト結果
【ブラシロール① φ1.45-#80 SiC砥粒入りナイロン毛材】
(図中の矢印方向に送りブラッシング)
【ブラシロール② φ1.0-#240 SiC砥粒入りナイロン毛材】
【ブラシロール③ φ0.9-#240 SiC砥粒入りナイロン毛材】
【ブラシロール④ φ0.8-#500 SiC砥粒入りナイロン毛材】
使用するブラシによりナット及び鋼板表面の状態が異なるのがわかります。
⇒平面部は,ブラシロール①(φ1.45-#80 SiC砥粒入りナイロン毛材)が目的に近い「粗す」状態を確保できました。しかし,突起物(ナット)付近にブラッシング残しが見られるため,他方向からの追加ブラッシングが必要であることもお客様には認識頂きました。
ワーク量,形状によってはカップブラシでのテストご提案もさせて頂きます。