1. バリ除去テストの実施
アルミダイカスト品のバリ除去に挑戦!
平面加工部のバリを除去して欲しい!!
アルミの粘りあるバリを除去しながらも表面の傷、エッジの摩耗を極力抑えることを想定します。
小さなバリが加工全方向に見られるため、万遍なくブラシ毛材が接触するSKカップブラシを選定。
ワークを固定し、回転するSKカップブラシを押当てた部位を観察することにします。
3種類の毛材のブラシを準備
バリ除去と摩耗傷の落としどころを探るため、3種類の毛材でブラシを準備。
テストワーク・・アルミダイカスト
テストブラシ・・SKカップブラシ 外径φ90(ブラシ毛丈25mm)
ブラシ① φ1.0-#240 SiC砥粒入りナイロン毛材
ブラシ② φ1.0-#80 SiC砥粒入りナイロン毛材
ブラシ③ φ1.2-#100 SiC砥粒入りナイロン毛材
⇒ 固定ワークにテストブラシを10~15mm/secで縦横1往復させ観察します。
ブラシ回転数・・977rpm
押付け量・・・・ワーク上面より深さ1mm押付け
2.バリ除去テストの結果
ブラシ①テスト結果
切削加工の下流側に発生する爪が掛かるようなダレ状バリでしたが、極力エッジを残した糸面取りのイメージの仕上がりになりました。
加工工具のカッターマークもなだらかに磨かれています。欲を言えばもう少しエッジの摩耗を抑えたいですね。
ブラシ②テスト結果
バリは除去されていますが、ブラシ毛材の砥粒サイズが粗いため、エッジの消失している部位が見られます。
ブラシ③テスト結果
バリは除去されていますが、ブラシ毛材の線径が太いため当たりが強く、エッジの消失やブラッシングによる深い傷が目立ちます。
⇒ブラシ①(毛材φ1.0-#240SiC)が比較的一番綺麗にバリ除去できたのですが、ダレ状のバリではエッジ部の摩耗が避けられないため、もう一段線径の細いφ0.9-#240SiC毛材のブラシを選定しても良いと思われます。