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事例・お役立ち情報

【射出成型機シリンダー内の残留樹脂の除去】Lab#4

【射出成型機シリンダー内の残留樹脂の除去】Lab#4

1.相談内容

【お客様】

  • 国立大学法人九州大学 水素材料先端科学研究センター 准教授 藤原 広匡 様

【内容】

  • 研究で使用する射出成型機のシリンダー(内径φ15mm×L700mm)内に付着した残留樹脂(ナイロン等の極性樹脂が焦げ付いた状態)を、ハンドドリル等でブラシを回転させて除去したい。
  • シリンダー内の全長を一度にブラッシングしたいためブラシ面長は900mm程度を想定しているが、長すぎて摩擦によりブラシが回転しない場合等はブラシを切断して使用する予定。
  • 色々試したいので数種類のブラシを提案して欲しい。

2.提案内容

今回は下記仕様のブラシを提案しました。

【ブラシ仕様】
 ブラシ種類  SK捻りブラシ(シングル)
 ブラシ外径  φ15m、φ14mm
 ブラシ面長  L250mm
 毛材材質  真鍮線
 毛材線径  φ0.3mm、φ0.15mm
 その他  真鍮パイプ 外径φ6mm×L750mm

 

【ブラシ概要図】
  • ブラシは一般的にパイプ内洗浄等に使用される捻りブラシとし、更に今回はハンドドリルを使用するということで真鍮パイプを設けました。
  • ブラシ外径はシリンダー内径と同じφ15mm、併せてブラシの摩擦抵抗によりブラシが回転しない事を懸念し若干小さいφ14mmの2種類です。
  • ブラシ面長は今回の仕様条件を踏まえるとL250mmがMAXでした。
  • 毛材材質はシリンダーを極力キズ付けないため比較的柔らかい真鍮線を選択、線径は一般的なφ0.3mmとソフトなφ0.15mmの2種類です。
  • また、ブラシを切断して使われるとのことでしたが、切断方法によっては切断部の毛が抜けることで隣接する毛が次々と抜ける恐れがある点を注意事項としてあげました。

3.使用結果

後日、お客様に使用結果を確認しました。

  • ブラシを使う事で非常によく残留樹脂を除去することができた。
  • 毛材の線径の違い(φ0.3mm、φ0.15mm)による効果の違いはあまり見られなかった。
  • ブラシ外径はもう少し大きくしたい。(※例えばφ20mm)
  • シャフトについてはパイプではなく、丸棒にしたい。
  • 残留樹脂を除去した後、ブラシにウエス等を巻いてシリンダー内の水分を除去しているが、使用後のウエスを剥がす時にウエスがビリビリに破れるため何か水分除去するためのブラシが欲しい。

4.最後に

ブラシを使用する事でシリンダー内の残留樹脂を除去することが出来ました。ただし、ブラシ仕様についてはもう少し改善する点がありましたので、水分除去ブラシと併せて引き続きご提案していきたいと思います。

今回の案件がブラシを検討している方の一助になれば幸いです。

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